食べるだけで幸せになる「いのちのごはん」

「わたしでも、作れるようになりますか？」

大学生のとき、わたしは、
勇気をふりしぼって質問しました。

わたしが作りたかったのは、
あの“いのちのごはん”です。

食べた人が赤ちゃんのような笑顔に返り、
人生が変わってしまうような、
そんな不思議なごはんです。

 

プロのようなおいしい料理を作りたければ、
その道に入って懸命に修行を重ねれば、
きっと作れるようになれるでしょう。

からだにいい料理なら、
栄養学、酵素、玄米菜食、東洋医学、薬膳、アーユルヴェーダなどを学び続ければ、
表現は人それぞれでしょうが、
なんらかの結論には辿り着けるのかもしれません。

わたしがめざしたのは、
おいしい、という次元を超えて、
からだにいいというカテゴリーをも超えた、
あの世界です。

 

あの世界とは何でしょうか。

 

みずみずしさ、いきおい・・・、

 

たしかにそれらも大事な判断基準です。

実際、
みずみずしさ、いきおいを感じさせてくれる料理は、
意外に少ないのです。

わたしもそういう料理を出してくださるお店を何軒か知っていますが、
とても感動したのを覚えています。

 

しかし、
わたしがめざしたあの世界とは、
“まばゆさ” なのです。

 

ちこ